月の道の大切な日々。

大切な毎日の足あと。

2019年09月

Kouhyouka


参加者の皆さん!

第3回「高」評価句勉強会が選評に切り替わりました。

https://teihyoukaku.nolimbre.com/

さっそく覗いていただき、この名句たちが名句である理由を「選評」として登録していってください。

選評期間はさらに一日延ばして来週の日曜日お昼までにしましたが、無理して全句についてよいところを見つける必要はありません。みんなで得意分野をカバーしあっていくぐらいのつもりで参りましょう。その後の掲示板でのやりとりでもさらに理解が深まるように思いますので、皆さまくれぐれも無理をなさいませんように。

それでは注意事項、前回のものも含めてもう一度おさらいです。

自分が出した句についてのお願い:
句の出どころ(句集、俳句雑誌、公開ネット俳壇、テレビ、ラジオなどなど)を選評のところに書いてください。
しまった、句の作者を書き忘れた!という方は、句の作者も書いてくださいね!


さて!そもそもみなさん!
これは全部いい句なのですよ!高評価の句ですよ、名句ですよ!勘違いしちゃいけませんよ!
しっかりと「高」評価句勉強会へと頭を切り替えてください!
ほめてほめてほめまくる場です!

自分が出した句についても、こうじゃないかなと思うところがあれば、ほめてほめてほめまくってください!
へえ~~こんないい句があるんだなーって、みんなに思ってもらう、そんな機会としてとらえていただいてもいいと思います!

うーむどれもコメントしづらい、うーむどこをほめれば・・・という方もいらっしゃると思います。
有名句であれば、じゃんじゃんネットで調べてもらって、その勉強の成果を書いてくださってもいいですし、どこかでその句のよさが紹介されていれば、それを引用していただいてもいいです(引用元は著者、書名、出版社などなどしっかり記載してください)。
もうどうしても、どれもムリ!っていうことであればそれはそれでいいです!

ということで、ゆるくゆるく、ただし締切は

 来週の日曜日お昼

ってことでよろしくお願いします。

我らが「夏雲システム」くんはもう今や大人気になっていますが、それには理由あり。マニュアルいらず、直感で使えるシステムなわけですが、やっぱりちょっと不安、とか、そもそもやっぱり何書いていいんかわからん!などなど、ご質問がある方は、遠慮なく、早め早めに teihyoukakuアットマークyahoo.co.jp までご連絡をお願いいたします。


月の道

Kouhyouka


今度は間が必要以上に空いた気もいたしますが、「高」評価句勉強会、ただいまから第3回を始めます。
サイトはいつも通りこちら。

https://teihyoukaku.nolimbre.com/

前回参加された方はそのままそーっと引き継いでおります。もし不参加ということであれば、そのままそーっと投句なしで過ごしていただければ、選評前にそーっと外します。
これまでに参加のご希望を伺った方は登録してありますのでご確認の上、漏れがありましたらご連絡ください。
今からでもちょっと覗いてみようかなと思って下さる方は

 teihyoukakuアットマークyahoo.co.jp

までご連絡ください。

この勉強会は自句ではなく、他者の高評価句、名句を勉強する場です。

・高評価の俳句(一般に公表されたもののみ。クローズドの句会の句はだめ)で、いまいちなぜ高評価なのかわからない、ポイントの掴めないものを投句してください。あるいはこんないい句があるんです、見てみて~という場でもいいかなと思っています。
・最大2句まで。無理して2句投句しなくてもオッケーです♪
・形式は「句/句の作者(あなたの名前ではない)」で記入してください。


投句締切は今週金曜日、今週末~来週土曜日までが選評です。

サイト画面右上のマイページにてメールアドレスを登録いただき、さらに通知設定を変更しますと、会の進行に合わせてお知らせメールが届きます。どうぞご活用いただいて、投句、コメントそれぞれの締切順守にご協力ください。


スケジュール
9月27日(金)深夜投句締切
9月28日(土)~10月5日(土)コメント期間
10月6日(日)お昼コメント締切、一覧発表


この夏雲システムは、野良古さんが本業に平行して開発してくださっているものです。
高・低評価句勉強会も、このシステムなしには企画すらできませんでした。
ぜひこちらのページから寄付をお願いいたします!

https://natsugumo.nolimbre.com/2019/01/blog-post_15.html

わからないことがありましたら、メールにてご連絡ください。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

月の道


Kasanegi


まつやま俳句ポスト365
の兼題「重ね着」。今日は天地の句の自習です。

引用はすべて俳句ポスト365から。
運営のみなさま、本当にありがとうございます!


「◆重ね着の最後の袖が通らない
      樫の木」

うはは そうそうー
なんかちょっとずれたところを出ようとするのよね。


「◆重ね着の最後の色がそれではな
      司啓」

これも笑う。
重ねて重ねて、もしかするといい感じできたのに、最後に台無し~~みたいな(笑)


「◆重ね着ちくちく読経いよいよ佳境らし
      一阿蘇鷲二」

重ね着の時に下に着たものがどうにもちくちく、いがいがする、っていう句は人の句にも素敵なものがありました。
ここではそれだけではなく、さらに情景も描かれています。
それが無理やり詰め込んだ感じになっていないのは、「重ね着ちくちく」だけで状況がスッキリあらわされていること、そして「ちくちく」に呼応するように「いよいよ」があって、テンポがよいこと、などあるんじゃないかなと思いました。


「◆重ね着に探る陽物見つからず見つからず
      凡鑽」

凡鑽さんってば!(笑) 陽物はみなさんそれぞれ検索してください。俳句甲子園で話題になった単語もそうだけど、色々あるんですなあ、表現が。
そういう下ネタ系は不快な時もあるけど、これはなんというか悲哀が。ペーソスが。何が違うんでしょうね。とてもよろしいです~~


「◆重ね着や波は自傷を繰り返し
      あいだほ」

中七下五、いいですね。季節感にも合います。
また上五の必然性も、組長の評を読んでなるほどと思いました。


「◆アイドルのショー重ね着のガードマン
      アダー女」

こういうのが難しいんです。描写に工夫があるわけではなくて、なんというか着眼点オンリーで勝負みたいなもの。組長評によるとその着眼点に俳人的なところがあるということなのですが、その境地に至っていなければ、そこに共感を覚えることもできず。
技術的に対比が効いているというのはあるのかな。
他にも理屈、理論、作り方で突出しているところがあれば教えてください~~


「◆重ね着の霊安室の遺族かな
      星埜黴円」

重い重い洋服。重い重い部屋。


「◆重ね着や倉庫三つを失つて
      Y雨日」

これは、なんだろう、上五の詠嘆の「や」が心に響く!心にしみる!
組長おっしゃる通り、火事だったのかもという鑑賞もいいなあ。


「◆重ね着空きつ腹詩はいつだつて黎明期
      めいおう星」

応援句、かな。
重ね着と空きっ腹の対比から出てくる詩の赤ちゃん。


「◆重ね着やちゃんと前向いて歩け
      ちびつぶぶどう」

重ね着をすると猫背になって、ネガティブになって ・・・という土台からの措辞。
尻切れトンボ的な字足らずがまた味となって。


そして天の句はこちら。

「◆重ね着て父恍惚の幹となる
      次郎の飼い主」

昨日、重ね着て、のことについてちょっと触れましたが、ここは重ね着てだからこその味わいですね。
「恍惚の幹」とはなんと素敵な詩の言葉。


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 『夏井いつきの365日季語手帖』の季語で一日一句の即吟、ドイツの花歳時記
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Kasanegi


まつやま俳句ポスト365
の兼題「重ね着」。
今日は人の句から勝手セレクションの自習Part 2です。

引用はすべて俳句ポスト365から。
運営のみなさま、本当にありがとうございます!


「◆重ね着や今日の火星は砂嵐
      尾上真理」

前回の炬燵にも宇宙との取り合わせがありましたが、その場合は何か宇宙に思いを馳せているようなそんな感じでした。
今回の重ね着と合わせると、そのままだと外に出ている感じがするので、たとえばこの砂嵐を実際に体験しているかのような、あるいは、今この私の周りにも風がびゅうびゅう吹いていて、その皮膚感覚とともに火星の砂嵐を思うかのような、そんな感じがしました。
取り合わせる季語によって、追体験の印象がずいぶん違うのですね。面白い。


「◆重ね着のどこへもゆかぬしづかな夜
      緑の手」

反対にここでは重ね着をしたのにどこにもいかない風景。
少し寒いので部屋の中で重ね着をしたのか。
下五の透明感が素敵。


「◆重ね着をめり込むやうに抱つこ紐
      TAKO焼子」

「を」かー。フツウだと「に」ですよね。ほんの少しの空間時間の経過効果で、より深くめり込んでいる感じがします。


「◆重ね着や外れる前の宝くじ
      ハルノ花柊」

「外れる前の」という言い方、思いつきそうでなかなか思いつかなさそう。
現在の心境や、きっと未来がもう見えているようなそんな感じも効率よく表されています。


「◆小説はロシアの荒野重ね着す
      りう女」

上五中七の語順、私だとこうできない気がする。このパターンが存在していないというか。
こうするとなんかいきいきしてきていいな。


「◆重ね着の足湯を匂ふ硫黄かな
      月見柑」

実感。日本を旅している時、こういうのよくやるなあと。
もう少し丁寧に気をつけていれば、そこに季語がたくさん存在することに気づくのに。


「◆重ね着の雲の低きを戦闘機
      松田てぃ」

「重ね着の雲」という始まり方、最後の下五の鮮やかさ。


「◆重ね着て女の螺子を弛めをり
      船岡遊子」

これも昨日やった、その中にある体の状態の描写ですね。螺子を弛める感覚、わかる気がします。

ひとつ、この句だけではないのですが、人の句に「重ね着て」という表現が結構多いこと。
一時期ちょっと話題になった「夕焼けて」問題を思い出しました。というか、夕焼けて、は普通に日常で使えそうなので気にならなかったのですが、この重ね着て、というのはどこか少しひっかかります。
かさね「ぎ」なので、かさね「ぎて」、なのだと思うのですが、「着て」を「ぎて」と読むことはないからかもしれません。あるいは、かさね「ぎ」なのに、かさね「きて」と読むのかもしれません。そうならそうでちょっとひっかかるというか。
でもこれだけ句があるということは、そして天に選ばれた句でもこの表現が使われているところを見ると、俳句では問題なく普通に使われているのですね。


「◆重ね着や錠剤だけが白い部屋
      妹のりこ」

くすんだ色の多い重ね着。くすんだ色の多い部屋。冬の空気。


「◆重ね着を解きてポン酢の買ひ忘れ
      末尾波世遠」

なんかこの軽やかさがいいなと。
あらま。って。


「◆重ね着の一枚目たる皮かゆき
      野地垂木」

ああなるほどなるほど。そういうのがありますね。
1枚目もだけど、2枚目が薄い1枚目を突き抜けてちくちくしてくるときもあるような。


注:勝手セレクションは、本当に、本当に勝手な、あくまで私の自習のためのセレクション。
作る時に苦労してモノにならなかった発想へのヒントをいただけるもの、全く発想のはじっこにも浮かばなかったもの、ああこういう言い方があるのか、などなどなどなど、勉強させていただいております。ありがとうございます!



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Kasanegi


まつやま俳句ポスト365
の兼題「重ね着」。
今日は人の句から勝手セレクションの自習Part 1です。

引用はすべて俳句ポスト365から。
運営のみなさま、本当にありがとうございます!


「◆重ね着の芯のあたりがはづかしい
      きゅうもん」

「◆重ね着を剥ぎ現世へ取り出す身
      小泉岩魚」

どちらも重ね着の中の体について。
一句目はなるほどなるほど。言葉のコンビネーションがとっても巧いし、二句目はさらに重ねるという行為の逆を取り出しているところがいいな。


「◆ジャムかひにうきうきかさねぎのこぶた
      古瀬まさあき」

めっちゃ可愛い。
こういう童話風なのも楽しいな。絵本の情景がありありと。


「◆重ね着のゴーシュ寂しき星を弾く
      蟻馬次朗」

「◆胎動のマリア重ね着し給へり
      土井デボン探花」

そういう意味ではこちらも少し似ている。
お話の主人公や実在の人物がやったかもしれない重ね着を描く。
ゴーシュならボロボロの茶色いツイードみたいな重ね着かな。
マリアもボロボロの、でももう少し薄い毛布のような、そんな重ね着かな。
こんな風に色々考えるのも楽しい一方、チェロ奏者とか、女とか、それよりはもっともっと具体的なイメージが作りやすいという利点があるー。(先日句友さんとお話していたことにもつながるかも)

今考えている兼題は「檸檬」。
そうだ、誰か具体的な人物のいるシーンに檸檬を置いて楽しんでみよう♬


「◆重ね着の匂ひに犬が吠えている
      薄荷光」

この句を読んだ時、冬のあの、何とも言えない匂いみたいなものを思い出しました。
乾いた犬の鳴き声を取り合わせているのも納得。


「◆重ね着や牛丼特盛と玉子
      けーい◯」

これ、好きだなあ。
大盛じゃなくて特盛。特別な、というイメージが頭をよぎる。それに玉子。ちょっとだけ実入りの多かった給料日なのか。でも重ね着をしたままだから勿論それほど高級な感じではなくて。
やっぱりこれは男の人かなあ。
そんなこと言うと、どうしてそれを男だと思うんですかっ!差別っ!みたいなこという人いるかもしれないけど、そういうこと言っている本人(女)が絶対こんなことしないんだよな。本当にやっている人ならそんな「裁判官」的言動にはならないと私は思う。本当に社会を変えたいなら、高みの見物や評論やヤジではなく、自分で、自分の体で実践すれば、と思う。それをしないんなら黙ってて。
脱線失礼~~


「◆聖堂の厚着を割つて花嫁ゆく
      亀田荒太」

曜日にもよりますが、教会ってやったら寒い時あります。特に石造りだと。コートを脱ぐなんて考えられないぐらいの。
それを割るように、真っ白な花嫁がゆく。
映像が鮮やかだなあと思いました。


「◆重ね着を脱ぐ間も話す今日のこと
      香野さとみZ」

季語「重ね着」と「着ぶくれ」の違いは、重ねて着てゆく時間の経過が含意されていること。
これはそんな一枚一枚を逆に脱いでゆくシーンを、さりげない日常の行為に落とし込んでいる。
こういう生活句をたくさん作ってゆきたいのだけど、もう少し努力だな。


「◆重ね着やギターケースに鳴る硬貨
      佐藤直哉」

実景として実感があります。
私だと「銀貨」にしちゃいそうだけど、それだとなんか作りもんになっちゃうかも。


「◆重ね着やだるま悲しく起き上がる
      中山月波」

重ね着した格好とだるまの取り合わせかな。
「悲しく起き上がる」という捉え方がいいですね。


「◆重ね着てひとりぼっちがふくらんだ
      中山月波」

私も寂しい、悲しいイメージとしてこの季語を感じたのですが、その感じをそうとは言わず、でもそのものを表すというのはなかなかむずかしい。



注:勝手セレクションは、本当に、本当に勝手な、あくまで私の自習のためのセレクション。
作る時に苦労してモノにならなかった発想へのヒントをいただけるもの、全く発想のはじっこにも浮かばなかったもの、ああこういう言い方があるのか、などなどなどなど、勉強させていただいております。ありがとうございます!



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Kasanegi

こっそりと続けます。
まつやま俳句ポスト365、兼題「重ね着」の復習です。
まずは私の句。


人選

   重ね着や日本国籍捨てにゆく

      月の道


いやあいよいよ病んでおりますなあ(・∀・)
それでその後の低評価句勉強会で、二重国籍のこととはほぼまったく通じていなかったという記憶も。
まあそんなこともありますわ。

とにかく、毎日が大変でも俳句を続けていられることに感謝。

ありがとうございました♡


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俳句ポスト兼題「秋薔薇」は2句人選を頂きました。
入力したひとつに「月の道」があって、正確には「月の道馨子」1句と「月の道」1句ですが。すみませーん
 
人選

 秋薔薇や黒猫BARの戸の軋み

 深海のひかりの匂ひ秋の薔薇

   月の道



せっかくなので没句も晒す~~

ボツ
 ×縁歩く虫のちひさき秋の薔薇
 ×ひらくときそつと歌ふの秋薔薇は
 ×秋薔薇や葉に星屑の焦げし痕
 ×秋薔薇の瑕にさみしき匂ひかな
 ×蜘蛛の糸一本わたる秋の薔薇
 ×秋薔薇の花脈すらりと黒ずみぬ


近頃もうこんなに出すことは稀。
シュトゥットガルト俳句女子の会でも出かけたし、ひとりで休日いっぱいいっぱいまた出かけて、一生懸命見つめて作ったので、どれも愛しい。

それでいい。

とても満足できた大好きな兼題でした。
ちょうど今「茸」も楽しく作っているところなので、同じぐらい出しちゃうと思います。

ありがとうございました♡


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Kotatsu


まつやま俳句ポスト365
の兼題「炬燵」。今日は天地の句の自習です。

引用はすべて俳句ポスト365から。
運営のみなさま、本当にありがとうございます!


「◆聞分けの悪い炬燵を飼うてゐる
      すりいぴい」

なるほど、逆転の発想かー。
語り口もいい。


「◆こうなれば炬燵と心中していいか
      大塚迷路」

やるならここまで、か。
でもこの辺の境目というか、陳腐との差がイマイチ私にはよくわかりません。


「◆墓炬燵凡そ同じなりかたち
      きゅうもん」

確かに何か家的なもの、そこだけで完結する世界的なものを感じます、炬燵。
「凡そ」とぼかしたところ、「なりかたち」とある意味無駄な言葉遣い。
これがすべて俳諧味につながるのだとは思うのですが・・・難しい。


「◆炬燵を少し離れて四方に家具の立つ
      一阿蘇鷲二」

うーん、これもちょっと難しいな。
リズムも非常に散文に近い。その訥々とした語りがかえって効いているということだと思うのだけれど。
「少し離れて」のあたりから「立つ」で締めるところは詩を感じます。


「◆運ばれる炬燵の骨の淋しさう
      かのたま」

人選の句にも炬燵の構造に注目したものはありましたが、ここはそれをひっくるめて「骨」と表現して、その上で「淋しさう」という詩を一滴。


「◆七並べのキング炬燵の端を落つ
      かをり」

人選のトランプの句に比べて、もっと鮮やか、かな。一瞬の。


「◆金貸は奥の炬燵に居るらしき
      キッカワテツヤ」

うーむうーむ
組長いわく、「こんな『金貸』を見たことがあるような気」がして、「映画の一場面のよう」ということなのですが・・・。


「◆炬燵の微睡み日本負けていた
      或人」

これも困る。非常に困る。「二重の悔しさが、可笑しい一句」。
誰かタスケテ。


「◆こたつのなかにおかあさんのばかとかく
      碧女」

ふむ。確かに可愛い。可愛いのだけれど。
あーごめんなさい、今日はきっと私のモードがあかん状態なのか。アンテナが反応しない。


「◆猫でなく炬燵に何かいるような
      風来松」

炬燵ってずーっと中が見えないから、そこになんかいたら、って思うとちょっと怖い。かな。


「◆猫と蜜柑足して炬燵で割ればよし
      ぐ」

これは笑った!これぐらいはじけてれば楽しいな。
と、書き写した時に思って覚えてて、タイプし始めて、最後、あれ?って。何だったかな?あ、「よし」か。と。
この部分、何か具体的な物体や概念を持ってくることもできますよね。二音とか、気にならない音であれば三音とか。
そういうの、私は延々と考えてしまうのだけれど、実はそれをしないのがいいのかも。やるとやり過ぎで、説明臭くなっちゃうのかも。なるほどー


そして天の句はこちら。

「◆遊郭の如き炬燵の灯りかな
      あー無精」

どこか家的な、小宇宙的な、炬燵の中。
確かにあの赤はそのような別世界にもつながっているのかもしれません。



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まつやま俳句ポスト365
の兼題「炬燵」。
今日は人の句から勝手セレクションの自習Part 2です。

引用はすべて俳句ポスト365から。
運営のみなさま、本当にありがとうございます!


「◆上の句で蝉丸飛んで来て炬燵
      克巳」

「◆トランプの切り札隠す炬燵かな
      さとう菓子」

「◆子の手札見えないふりをする炬燵
      ももたもも」

そうかー。炬燵と言えば家族でトランプとかカルタとか百人一首とかやるんだな。
やってる、ってだけじゃだめで、その一瞬をさっと切り取るのがいいんだな。


「◆炬燵居の春泥を這ふ心地かな
      神山刻」

実感としては私にはない感じなんだけど、なんかすごーく想像してしまう。
どんな感じなんだ。
体にも何か変化が起こっているのでは。
気になる。


「◆切炬燵解雇通知も燃やせます
      薄荷光」

季語の「切」炬燵という選択が、心の中まで示しているようで。


「◆炬燵ぶとん踏まねばゆけぬ四畳半
      椋本望生」

こういう家住んでた気がするんだけど、どこなのかが思い出せないってどういうこと。。
それぐらい実感があるんだけど、具体的な体験じゃないのか。
あるあるだけど、この中七の言い回し、条件+否定がぐぐっと詰まったへんがいい。


「◆メリーさん炬燵にながい足はじやま
      緑の手」

うわーなんて可愛いの!
メリーさんってなんか、なんか、やっぱり羊さん?違う?外国の女性?
いやーん、羊さんがいい!あ、メリーさんの羊だからやっぱりメリーさんは人間か。
でもでもーなんか羊が入っているような気がするの。。


「◆先輩の炬燵引継ぐ吉田寮
      西尾婆翔」

吉田寮だからもう清潔感とかとは無縁な古い炬燵なんだろうなあ。
こういうのあるな。ちょっとお世話になった恵迪寮でもあったし、留学先でもあった。
生活に密着した季語だとこういう出口もあるんだな。


「◆食って寝て学んで打って炬燵かな
      はまのはの」

確かに!
やるならこれぐらい潔い句がいい。


「◆ほつれたる炬燵コードの臙脂色
      三重丸」

これ!このコードを句にしたかったんだあああ
ノートを見てみたら「炬燵コードにひっかかる」とかなんとか書いてあるけど、違うじゃん。ちゃんと描写すればいい。「ほつれたる」と言い表せないところが問題。


「◆炬燵には枕返しの棲みよるけ
      衷子」

枕返しの妖怪、調べました。なるほどなるほど。
方言いいですね。


「◆まるはだか炬燵の主要構造部
      北村崇雄」

裸というと季語になりますが、全然オッケーですね。その裸じゃないし。
今の炬燵はどうなのかしらないけれど、私が子供の頃の炬燵は本当にまるはだかな構造でした。
でもちょっと毛が生えたような金属で編んであったな?ところどころへこんでたな?
なんか色々思い出します。


「◆寄せ箸を叱るものなき炬燵かな
      綿井びょう」

家族の象徴としての炬燵だから、逆に寂しくもなる。
そう書かずに、これぐらいのディテールまでおとせたら。



注:勝手セレクションは、本当に、本当に勝手な、あくまで私の自習のためのセレクション。
作る時に苦労してモノにならなかった発想へのヒントをいただけるもの、全く発想のはじっこにも浮かばなかったもの、ああこういう言い方があるのか、などなどなどなど、勉強させていただいております。ありがとうございます!



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Kotatsu


まつやま俳句ポスト365
の兼題「炬燵」。
今日は人の句から勝手セレクションの自習Part 1です。

引用はすべて俳句ポスト365から。
運営のみなさま、本当にありがとうございます!


「◆人に憑くもののひとつに炬燵かな
      さるぼぼ」

コタツってなかなか出られないよねー、をどう句にするか。
類想は避けるものではなく、そこからどう派生していくか、よりその類想の肝を詩の言葉で言いあてるかなのだなあと。


「◆用務員室の炬燵の醤油染み
      星埜黴円」

好きな世界。
好きな世界なんだけど、それだけじゃダメなんだよな。。ぐんぐんと視点が狭まっていく感じ、途中で炬燵のテンパンの生温かい熱まで拾ってゆくような。
素材だけじゃだめなんだよなあ。あー。


「◆雨を来し足を炬燵に放ちけり
      ヒカリゴケ」

俳句で時間の経過を表すのは難しいと聞きますが、なんかとてもうまくいっている。
空間と時間の「を」が巧く使われて、最後の「けり」の選択がいいのかな。
「放つ」という動詞そのものの勢いもいいな。


「◆屁古垂れる炬燵の赤の痛いほど
      中山月波」

へこたれる、ってこんな漢字書くんですね!えらいへこたれている感が伝わってきて、これがまたこの句の内容とぴったりです。
毒々しい炬燵蒲団の赤なのかと思いますが、それでいいのかな?


「◆炬燵寝やテレビショッピングの青汁
      けーい◯」

そうそう、日本に行くとせっかくだからテレビを見なくちゃ!と思って延々流しているのですが、確かにテレビショッピングが多い!延々とその商品名と効能が流れてきます。
炬燵「寝」という選択がいいなと思いました。


「◆夕星やこたつへ帰る家出の子
      じゃすみん」

夕星!美しいですねえ。
この詠嘆が句を通して優しいまなざしを投げかけています。
「炬燵」ではなくて「こたつ」というのも優しさ倍増。


「◆もう飲むのやめた薬がある炬燵
      ふるてい」

炬燵に乗っかってるあるある、もちろん蜜柑もありますが、そうか薬。そういえばいつも薬が乗っていました。それも、飲まなくなったのに誰も片づけない薬が。
それを切り取ってくると、語られなかった余韻の中に、どうしてこの薬は飲まれなくなったんだろう、と想像が湧いてくる。


「◆一歳児炬燵のへりをめぐるめぐる
      めいおう星」

みんながいて嬉しいのかな♬
ぐるぐるぐるぐる走りまわっているのかな。
もしかすると四隅にいる人それぞれにちょっかいを出しながら巡っているというのでも楽しいなあ。


「◆酔い覚めの水美味き夜や置炬燵
      ラーラ」

炬燵にずっと入っていると喉が渇く。
それをもっともっと正確に。追体験できるように。
「酔い覚め」という言葉の投資対効果のよさ。
またこう、句の全体を眺めた時になんかすごく美しい。組長は言うところの、句が立ち上がってくるというのはこういうのもあるんだろうな。


「◆リュウグウへ三億キロと聞く炬燵
      一斤染乃」

「◆炬燵にて火星の土地を買ふ話
      はむ」

染乃さん、すごーい! この段階ですでにリュウグウなんてさすが!
確かになんか、炬燵と宇宙って似合うんですね。実際の距離感もすごくいい。このふたつの句を見て思いました。
さてさて今兼題になっているのは、俳句ポストが茸、そしてそのほかがあれとあれと、えっとあれ。
それに似合うものってなんだ???


「◆埃焼く初日の焦げ臭い炬燵
      宮坂変哲」

「◆パーマ屋の火薬の臭いする炬燵
      雀虫」

まざまざと思い出した!!!あの匂い!いや、臭いか!いや臭いけど、懐かしい、好きなニオイ!
作句の時はチラリとも思い出せなかったああああ


注:勝手セレクションは、本当に、本当に勝手な、あくまで私の自習のためのセレクション。
作る時に苦労してモノにならなかった発想へのヒントをいただけるもの、全く発想のはじっこにも浮かばなかったもの、ああこういう言い方があるのか、などなどなどなど、勉強させていただいております。ありがとうございます!



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Kotatsu


こっそりと再開。
まつやま俳句ポスト365、兼題「炬燵」の復習です。
まずは私の句。


人選

   腹這の炬燵ラクダが月曳き来

      月の道


なんかこの頃とっても沈んでいた記憶。
音楽と一緒ですね。俳句って直接過去の空気にワープする。
私にとってはそんな句。

そしていまでも結構好きな句~~

ありがとうございました♡


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月の道いろいろ
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 『夏井いつきの365日季語手帖』の季語で一日一句の即吟、ドイツの花歳時記
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 生活の様子、句友の方々とのコミュニケーションなど

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俳句ポスト兼題「轡虫」は2句人選を頂いていました。

 
人選

 轡虫震へ峠の風四角

 轡虫ブリキのやうな月にして

   月の道



せっかくなので!?没句も晒そう~~

ボツ
 ×シンバルの出番は一度轡虫
 ×銀色の耳鳴り深し轡虫

シンバルの方は、もともとはあのごりら?オランウータン?のおもちゃ、シンバルをがちゃがちゃ叩いては、キーキーキーって言って、またがちゃがちゃ叩き続けるやつ。あれを取り合わせにしたかったんです。でもうまくいかず。

銀色の方はぼけぼけのあるあるなのかなー。
私が作っちゃいがちなやつかなと思いつつ出しましたが、やっぱりそうだった模様(笑)

来週は「秋薔薇」の発表。
これは公園に何時間も座り込んで一物仕立てに挑戦したので、珍しく結果が出てほしいなと思っています。
来週報告しますo(・ω・´o)


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一句一遊は、兼題「朝顔」で水曜日選を頂いていました。
聞き書き隊の皆様、いつもありがとうございます!


水曜日選

 朝顔よ天国に雨は降りますか

   月の道


朝顔は兼題としてとらえた時に、子供の時に栽培した手触り、色んな思い出が鮮やかによみがえってきました。
ということで、楽しくいくつか句を作り、いくつかボツっております(笑)
お手紙とともにここに供養いたします。

++++++++++

・朝顔や葉のふかふかと波打ちて

・朝顔の産毛に水の生まれたて

・朝顔よ天国に雨は降りますか


朝顔は小学校の時に育てて観察日記を書いたことをよく覚えていてとても懐かしい花のひとつです。真っ先によみがえってきたのは、あの毛の生えたふかふかの葉っぱでした。手触りまでしっかりと思い出せたことに驚きました。
また句作をする間に、日本アサガオと西洋の朝顔を同時に育てているブログを見つけたのですが、日本アサガオは開花するのがずいぶんと遅いようです。その代り10月に入ってもまだ花をつけるようでした。
夏の花というよりも夏休みの花、あるいはちょうど終戦からお盆、9月にかけての秋の花なんだなあと納得した次第です。
いつか日本に帰れたら、またアサガオを育ててみたいと思いました。

++++++++++

組長、ありがとうございました!
これからもがんばりまーす。


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やったー♪
シュトゥットガルト俳句女子の会で事前句会もした、NHKの575でカガク!
はやぶさ2で佳作に選んでいただきました。

 
佳作

 星雲の鱗粉撒きて隼来

 秋灯鉄瓶の肌星めきて

   月の道


星雲の鱗粉の句の方は、番組でも採用していただけました。最高のごほうび♡
組長、そして制作のmK5の皆様、本当にありがとうございました。

遠い地ながらコツコツがんばりますので、これからもどうぞよろしくお願いします。


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参加者の皆さん!

本当にお待たせしてしまいました。
第2回「高」評価句勉強会が結果一覧に切り替わっております。

https://teihyoukaku.nolimbre.com/

まだじっくり読めていませんが、すでに2、3の評に、目から鱗が落ちている心地がしております。
みなさんお忙しいところ、ありがとうございました。

一覧と同じ画面に、「談話室機能」があります。
前回までは別途掲示板を設置しておりましたが、今後はこちらを活用して、会の後の感想や意見交換などに使っていただければと思います。

次回は3週間後、そしてその後は4週間に1回のペースでと考えております。
今度は週の数を間違わないように、近くなりましたら改めてご案内いたします。

月の道

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